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アパート
私が中学校の友達から聞いた話です。

とある町にすんでいるAさんはフリーターの新聞配達員。毎朝早くから新聞配達をしている。

ある日の出来事だった。
その日のことは誰にも予想できないことだった。
私はどんなことが起こるかも知らずに…

いつものように新聞配達をしに、住んでいる家から新聞の営業所に行くのであった。
重い新聞の束を手に持ち、商用のバイクの荷台にそれを乗せ、毎回繰り返す、指定された家々に配達するのであった。
独り暮らしを初める前に、実家のお母さんに、『独り暮らしをするならこれをもって行き』と言われ、お守りをもらったのを覚えている。
そして今もそれを持ち歩いている。新聞配達のときも…。
何のお守りかは分からないが、とにかく安全を考え新聞配達の時には必ず持ち歩いていた。

そして今日もいつも繰り返す生活パターンに反抗せずに、新聞配達をするのであった。
今日はどことなく気持ちの悪い朝だった。
いつものように一軒家からマンションまで配達を終え、最後にあるアパートにいくのであった。
いつもいくところなのになぜか今日は殺気を感じる。
しかし仕事なので、なんとしてでも配達しなければいけない。
そう自分に言い聞かせて、アパートの階段を走って駆け上がるのであった。
そして最後の階も終わり、一目散で階段を駆け下りるのだった。
しかし背中に何かを感じる。

『自分の後ろに何かが居る』

とにかく猛スピードで走って駆け下りる。
そして階段を下り終え、パッと後ろを振り向いた瞬間…
『キャーー』

白い服を着た女の人が空中に逆立ちでぶら下がっているように見えた。
全身に鳥肌が立つ。
そしてすばやくバイクに乗り、新聞社の営業所へ戻るのであった…

その後、私は考えたなぜ霊から逃げ切れたのか。やはりお守りの力だったのだろうか。
私は今でもどこかへ出かけるときは必ずお守りを持ち歩くのであった…



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